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(財)長寿社会開発センター助成事業/高齢者と子どもの遊び・学び・食べり場モデル事業

ミッキークラブ&ミッキークラブベビーの会 活動報告

WACの地域三世代子育て支援活動の一環として、埼玉県富士見市で活動するWACポイント「ミッキークラブ」(代表・川井幸子)が、(財)長寿社会開発センターの助成を受けて平成15年7月〜16年3月まで、実施した事業です。

中高年が中心となって、小さな地域で子育て支援を!

川井幸子(子育てサロン「ミッキークラブ」代表)

ここ何年か子どもの虐待のニュースが流れない週はありません。今、地域社会が機能していないように思われます。少し前私達の地域でも井戸端会議をしながら子どもを遊ばせている親子に近所のおばさんや、通りがかりの人が声をかける、こんな光景が珍しくありませんでした。今はほとんど見られません。母親たちは自転車や車で遠くの公園まで行き、一人ぼっちで子どもを遊ばせています。彼女たちは人間関係に時間を費やすことなく育てられています。そして地域の中でどのように生きていったらよいのか迷っています。「そんな彼女たちを支援していくことは地域社会の課題ではないのか」私はこんなことを数年前から考えていました。

また、私個人の経験として、夫の仕事の関係で頻繁に転勤。子育ての頃5ヵ所を住み替え、肉親はもちろん知人もいない地域で帰りの遅い夫をひたすら待ち、子育てに一日中振り回されていた時期があります。だれにも労をねぎらわられることのない育児、つらく長い日々だったように思います。

私の住む富士見市も核家族率9割、県外出身者も大変多いと聞いております。そんな私と同じような環境にある若い母親たちのために、地域に子育てサロンを開けないだろうかと考えていました。

そして2年前、念願かない私は近所に住む子育て中の母親を誘い、集会所を借りて「子育てサロンミッキークラブ」を開きました。主任児童委員、児童委員の方々は必要性をいち早く感じ、手を貸して下さいました。また保育の専門家を紹介していただき、手作りのおもちゃのプレゼントをいただきました。様々な支援のもと心強いスタートを切ることができました。

今では中高年のボランティアが常時男性も交えて10名程お手伝いして下さっています。ずっと赤ちゃんを抱っこしている方、子どもを上手に遊ばせてくださる方、母親のためにお茶を準備してくださる方、手作りおやつやお漬物の差し入れをして下さる方、そんな暖かいボランティアの方々がだれに評価されるわけでもないのに、毎回足を運んで下さいます。そんな方々のおかげで母親たちは時を忘れおしゃべりに夢中になる時間が持てています。

集会所の周りは畑もあり電車も遠くに見えるため子どもたちはあきません。近くには小学校があり、小学校長のご配慮で時々散歩に行かせてもらい、校長先生自らうさぎを放し遊ばせてくださる日もあります。

このような恵まれた環境の中、参加者は次々と増え、1年後には月1回から2回に増え、WACのモデル事業をさせていただくことになってからは、母親たちからの希望で「ベビーの会」も開くことができ、今では平均20組以上の親子が毎回参加して、にぎやかに会を開いております。

行政もこんな草の根的な活動を支援して下さるようになってきました。市の広報に取り上げてもらったこともあり、子育て支援センターから時折保育士を派遣してくれるようになってきました。市立保育所は保育用具の貸し出し、ミッキークラブと保育園児の交流会として園で1日遊ばせてもらいました。地域の母子担当の保健師には、子育て相談会を開いていただきました。社会福祉協議会からはボランティア登録を勧めていただき、助成金の申請案内や、研修会の案内をいただけるようになりました。

私は、在宅で一人で育児をしている母親たちに行政がもっと関心を向ける必要があると思います。彼女たちは就園までは自らの手で子育てをしたいと考え、がんばっているのですが、今の地域社会はそんな彼女たちには冷たく、声をかけて下さる方も少ないのが現状です。一小学校区に1ヵ所位、親子で集える場があったら、どんなに多くの親子が救われることでしょう。

私たちのような中高年は自らの経験から、こんな親子の役に立ちたいと考えている方が多いと思います。そのような人たちを発掘し、その方々が楽しんで子育て支援に取り組んでいけるよう、行政もサポートしてほしいと思います。保育所の増設だけが少子化対策ではなく、こんなところにも力を注ぐべきではないでしょうか。

今回のモデル事業を通して、様々な方々と意見交換できたし、母親へのアンケートもでき、今後の活動方針が定まってきたように感じています。助成金のおかげで保険等の安全対策にもお金が使え、安心してサロンを開けたことはいうまでもありません。これからも末長く地道にこの活動を続けていきたいと考えております。関係者の皆様方のご協力に心から感謝いたします。ありがとうございました。

平成15年度活動報告ができました!

ミッキークラブ&ミッキークラブベビーの会の平成15年度の活動報告書です。こんなスケジュールで、こんなことやってるよ、というのがひと目でわかります。子育て支援の活動をはじめてみたいな、と考えている方にはすぐにお役に立つでしょう。

少し余部がありますので、WAC本部へお申込みください。
TEL:03-5405-1501 FAX:03-5405-1502

お問い合せ

  • 公益社団法人 長寿社会文化協会
  • 〒105-0011
  • 東京都港区芝公園2-6-8 日本女子会館1階
  • TEL 03-5405-1501 FAX 03-5405-1502
  • Eメール iken@wac.or.jp

ミッキークラブ活動の様子

佐々木のおじいちゃんは大人気

佐々木さんは手作りのおもちゃが得意

代表の川井さん

近所の小学校の校庭へお散歩に

ウサギを抱っこさせているところ

子どもたちは押入れあそびが大好き